今回は【音色】についての話題です。耳にしたことはあるかと思いますが、「実際何なの?」と聞かれると、うまく説明するのは難しい概念です。実は音色はfinal独自の「自分ダミーヘッドサービス」の核となっているとても大切な要素なのです。この記事では、音色の基礎的な知識から、自分ダミーヘッドサービスにどのように応用しているかを2部構成でまとめました。
キーワード:音色、自分ダミーヘッドサービス、聴覚の3要素、聴覚
人間が発達させた聴覚特性
突然ですが、こちらにネコとチーターの画像があります。想像してみましょう。周辺は草木が生い茂り、視界が悪い場所を歩いています。
「カサカサッ…!」
あなたに向かって何かが近づく気配と微かな足音。それが可愛らしいネコによる足音なのか。もしくは自分を食べようと狙って近寄ってきたチーターのものなのか−。
今では考えられない、昔々のサバイバルな自然界を生き延びるために、人間は聴覚を発達させ、ある役割を持たせました。
まずひとつめが「音の方向を知る」ことで、【音の方向知覚】と呼ばれる聴覚の現象です。ふたつめは「音を発している対象物(オブジェクト)が何であるかを音で認識する」ことです。これは「ゲシュタルト認識」などと呼ばれ、それに関連した聴覚の用語が【音色】に当たります。
音の方向知覚は、動物としてのヒトが自分の身を危険から守るために極めて大事な機能です。視覚が前方の限られた範囲である「視野」にしか働かず、視野以外に存在する対象物を知るためには聴覚に頼らざるを得ないからです。
後者の音色は、教科書や専門書等で聴覚の3要素と説明されている「音の大きさ」「音の高さ」「音色」のひとつでもあります。音色によるゲシュタルト認識は、例えば弦楽器の種類である、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの違いを音だけから認識できることなどが例として挙げられます*。
現代に話を戻してみると、道路を歩いていて後ろから近づいてくるのが、車なのか、バイクなのか、自転車なのか、エンジン音やタイヤのブレーキ音などで判断できますね。(車に詳しい方だとエンジンの音で車種の見当もつくのだとか!)
学術的にも定義が曖昧 でも役割重大な【音色】
先述した通り、聴覚の3つの要素は以下の通りです。
もう少し詳細に書きます。
まだ、具体的には分かりづらいですよね。では、さらに具体例を示しながら、「もし、【音色】がこの世からなくなったら」を考えてみましょう。
と、【音色】がいかに重要な存在かというのがお分かりいただけたかと思います。音楽だけではなく、私たちが普段使う言語にも大きな影響を与えているんですね。
学術の世界でも【音色】を解き明かそうとする研究はたくさん行なわれたきましたが、まだ解明できていないことが多く残っています。特に、心理現象である音色と音の物理量の関係を解き明かすことは、現在の技術をもってしてでもなかなか難しいようです。後ほど触れますが、この【音色】が担う役割はとても大きく、決して軽視されていいものではないのです。
finalは今回、【音色】にフォーカスした独自の個人最適化サービス「自分ダミーヘッドサービス」をリリースしました。このサービスについて、次回詳しくご紹介します。お楽しみに!